2月の読書メーター
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臨床の砦の感想
コロナ感染症初期の病院、医師の対応を描いた。ほぼノンフィクション作品と考えていいだろう。デルタ、オミクロン株感染の現在はワクチン接種も進み、病態自体の解明が進んでいる。しかし本作はそれ以前の時期の話であり、感染の恐怖と戦いながら、ある意味「手探り」で治療を続けていた医療者の心の葛藤を細やかに描いている。病院は防御態勢がしっかりした「城」ではなく、もっと脆弱な「砦」であり、そこで働く医療者の使命感のみによって支えられていた、と言っても過言ではないと感じた。
読了日:02月20日 著者:夏川 草介
読書メーター
この本を読み終えた2月末にロシアがウクライナに侵攻した。ロシアは国家ぐるみでドーピングしたにも関わらずそれを認めず、オリンピックからも排除されている。強権的な国家としての性格は、旧ロシア、ソビエト連邦、現在のロシアと体制は変わっても受け継がれている。「坂の上の雲」を読んでいても同じような思いをしたことがあった。
とにかくウクライナに平和が戻ることを願ってやまない。