通常ならば観光地は大賑わいのはずのGWだが、新型コロナウイルス禍のためにほとんど外出しない大型連休だった。その結果として比較的本を読めたほうだった。
コロナ禍の結果、働き方や情報収集、コミュニケーションの方法が大きく変わろうとしている。自分としてはそれらの受け容れも可能だと考えている。普段は歴史小説を読むことが多いが、それ以外のジャンルを読むことで視野を広げることは確かにできると思う。
まだまだ普通の生活に戻るには日数がかかると思うが、本を読み続けたい。
5月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1424
ナイス数:34
2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望の感想
知らないことが多く、大変ためになった。様々なネットワークがグローバル化した現代においては、可視化された情報のみでは情勢を見誤る可能性があると感じた。GAFAMを中心としたアメリカン・デジタルと、ヨーロピアン・デジタルとでは歴史的にも理念が異なっている。中国も加えた三つ巴の状況のなか、日本はどのように活路を見出していくべきか? 理念にとらわれることなく、日本人ならではのアプローチで文化とテクノロジーの両輪で付加価値を上げていくことの重要性を述べている。
読了日:05月31日 著者:落合 陽一
国盗り物語(三) (新潮文庫)の感想
道三没後、桶狭間で今川義元を破った信長。しかし勢力はまだ弱小である。強国美濃を攻略していく過程が面白い。信長が統治した尾張は平野であるため、機動力を駆使した戦は得意だが、美濃のような山河が入り組んだ土地への戦術的思想に欠けた、との司馬の洞察はなるほどと思った。木下藤吉郎は信長に上手く信頼され、竹中半兵衛を味方に取り込み、その結果信長は美濃を攻略する。一方の光秀は不遇だが少しずつ地歩を固めていく。司馬の描いた光秀は、あまりにプライドが高いので好きにはなれなかったが。
読了日:05月30日 著者:司馬 遼太郎
国盗り物語(二) (新潮文庫)の感想
読みながら、室町時代後半がいかに生きにくい世の中であったかがよく分かった。守護体制や、市・座などの既存の権益を破壊するのにどれだけのエネルギーを必要としたのかがよく分かる。斎藤道三でさえ、美濃一国を理想の体制に整えるまで20年を要した。革命とは言え、短兵急な手法ではすぐに転覆される。軍事・政略のいずれも優れていないと滅びてしまう戦国時代。後半より尾張一のうつけ者、信長が登場。信長に対する司馬史観が楽しみ。
読了日:05月05日 著者:司馬 遼太郎
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