今年の夏は今までとは全く違う過ごし方を余儀なくされた。職場からの通達で、家族以外での会食は禁止。県外への移動も自粛している。子どもたちの夏休みも不規則になったし、恒例の旅行も今年はなし。学会、研究会もweb開催が通例となりつつあり、これまでのライフスタイルについて発想の転換が求められている。今月読んだ”ネガティブケイパビリティ”を求められる状況となっている。
8月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:204
ナイス数:20
ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書)の感想
ネガティブ・ケイパビリティとは「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」との定義から始まり、概念の成り立ちの歴史的背景から解説している。現代の教育は、早急に問題解決できる能力をはぐくむポジティブ・ケイパビリティの養成に主眼が置いてあるが、それだけでは必ず息詰まることを述べている。著者が最も伝えたかったのは、満州事変から太平洋戦争に至る過程で、国の指導者がネガティブ・ケイパビリティを有していれば、事態は大きく変わっていたのではないか、ということだと思う。