鷹のぼせの独り言

外科系医療者で3児の父親です。ご覧のとおりの“鷹のぼせ”です。医療、教育、書評、そしてホークスについて熱く語ります。

2019年7月に読んだ本

出張の往復の車内でKindleで読むことが多かったが、数冊を回し読みしていたため冊数は稼げず。まあいいか。日露戦争時代と昭和初期の軍首脳は変質した様に司馬は記載しているが、陸軍に関しては全く変わっていない。人命・兵站軽視、精神論に走るなどの傾向はもしかしたら現代も引き継いでいるかもしれないとの危惧が自分にはある。

7月の読書メーター
読んだ本の数:1
読んだページ数:361
ナイス数:28

新装版 坂の上の雲 (3) (文春文庫)新装版 坂の上の雲 (3) (文春文庫)感想
日本海軍を発展させた西郷従道山本権兵衛の件を確認したくなり再読。権兵衛は日清・日露戦争前に海軍首脳の大刷新を断行する。東郷平八郎もその対象となるのだが、最終的には東郷の「周到性と決断力と、そしてなによりもその従順さ」を評価し連合艦隊司令長官に抜擢する。また司馬は明治の軍首脳を昭和軍部と比較しており「30数年の間に民族が変わったかのような変質の原因」を探っている。その答えは、江戸時代の合理主義的思考法を持つ朱子学の影響が明治期の旧武士階級に残っていたからだ、と結論している。なるほどなあ、と思った。
読了日:07月15日 著者:司馬 遼太郎

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