鷹のぼせの独り言

外科系医療者で3児の父親です。ご覧のとおりの“鷹のぼせ”です。医療、教育、書評、そしてホークスについて熱く語ります。

2018年1月に読んだ本

1月は学会出張のため移動の時間が長く、比較的多くの本を読了出来た。今年の目標は30冊。少ないと思われるだろうが、続ける事に意義がある。

 

1月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1267
ナイス数:68

胡蝶の夢〈第1巻〉 (新潮文庫)胡蝶の夢〈第1巻〉 (新潮文庫)感想
江戸時代の「空気」を見事に描いている。医学界においては漢方が主流であり、幕府内の権力も漢方医が掌握していた。幕末の激動が始まる頃、西洋医学を志した松本良順は長崎でオランダの軍医ポンペと出会う。両者初対面の時、互いの発言に戸惑いながらもそれぞれが今後の進むべき方向性を定め、覚悟を決めるシーンが好きだ。これからの展開が楽しみ。
読了日:01月25日 著者:司馬 遼太郎

 


40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方40歳を過ぎて最高の成果を出せる「疲れない体」と「折れない心」のつくり方感想
言わずと知れたレジェンドの書いた体と心の整え方。ジャンプ系は瞬発系や体幹の力が求められるのだろう。フィジカルトレーニングとして下半身の強化とストレッチの重要性を説いている。自分自身もハムストリング・股関節のトレーニング・ストレッチを行うと、なんとなく体調がよくなる印象があった。目指す体型は細マッチョ、とのこと。しなやかな肉体を作りたいという理想はあるが、なかなか上手くはいかない。後半はメンタルトレーニングについて記述。目新しい内容ではないが、さくさく読める。
読了日:01月21日 著者:葛西 紀明

 


サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福感想
本書は、歴史は逆説的な検証が必要であることを身にしみて感じさせてくれる。「贅沢品は必需品になり、新たな義務を生じさせる」 狩猟民族から農耕民族への転換が、人類の繁栄のターニングポイントの一つかもしれないが、逆に農耕作物に支配される結果を生み出したとも言える。長い人類の歴史を考えると、繁栄から衰退を迎えることは自明の理のような気がする。だとすれば人間の短い一生は楽しんだ者が勝ち、といった刹那的な気分になってしまうのは自分だけだろうか。
読了日:01月06日 著者:ユヴァル・ノア・ハラリ

 


言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)言ってはいけない 残酷すぎる真実 (新潮新書)感想
狩猟民族から農耕民族へ。長い人類の歴史の中で、生き残るために変容していったDNA。人間の行動の多くは利己的な遺伝子によって説明出来る。親の子どもに対するしつけに意味はなく、子どもの人間関係が人生に決定的な影響をもたらす。やや絶望的な内容であったが、親の役割は、子ども達へ最適な環境(人間関係)を整えることだ、との記述でやや救われた感があった。また男性ホルモンのテストステロン値が高い男性は攻撃的な傾向が強く、負けず嫌いなリーダーになりうる、との記載が興味深かった。
読了日:01月01日 著者:橘 玲

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