鷹のぼせの独り言

外科系医療者で3児の父親です。ご覧のとおりの“鷹のぼせ”です。医療、教育、書評、そしてホークスについて熱く語ります。

カイロレンがジェダイの騎士になるために必要だったこと

カイロレンのキレやすい性格にびっくり‥

スターウォーズ フォースの覚醒」を観てきました。このシリーズではダース・ベイダーに代わるフォースのダーク・サイドの使い手としてカイロレンが登場します。しかし映画公開以後、「カイロレンはメンヘラか?」という話題がネット上を賑わせています。フォースの使い手であるにもかかわらず、あまりにキレやすい性格だからです。映画公開後すでに1ヶ月が経っておりストーリーを少し明らかにしてもいいと思うので、できるだけネタバレにならないように気をつけて書きます。

 

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この上ない良い血筋の生まれなのだが…

カイロレンはハン・ソロとレイア王女の間に生まれた子です。ハン・ソロは共和国軍に協力した英雄ですし、レイア王女は共和国のリーダーであり、かつフォース・センシティブの生まれです。だからカイロレンは英雄・王女の間に生まれ、かつフォースの可能性を秘めたサラブレッドだったんです。しかし何かがきっかけでダークサイドに堕ちてしまった。その詳細は不明ですが、次回のエピソードで明らかになるでしょう。彼は強力なフォースの使い手ではあるのですが、気に喰わないことが起こると、切れるキレる‥ ライトセーバーを使って辺りの物を手当たり次第ぶっ壊してしまいます。祖父であるダース・ベイダーに比べると、自己をコントロール力が貧弱です。脳科学的にいうと以前書いたように前頭葉の鍛え方が足りなかった。

 

keittaey.hatenablog.com

 

前頭葉を鍛えるには、一般的に「面倒くさい」と考えられている仕事や雑用をこなすことが最も効果的です。しかし、カイロレンの母親は共和国の王女。身の回りの雑用は従臣が片付けてくれる立場です。父親といえば、英雄とはいえ元は密輸業者。そのため賞金稼ぎから身柄を狙われており、とても家事をするどころの状況ではありません。その一方で彼は小さい時から周囲の大人たちにチヤホヤされていただろうし、しかもフォース・センシティブのためジェダイ・アカデミーにも入門したはずです(アカデミーは帝国によって破壊されたが、ルーク・スカイウォーカーによって再建された)。そのアカデミーでトラブルが生じ、カイロレンはダーク・サイドに堕ちてしまったようです。その詳細はわかりませんが、少なからず彼の心のなかには何らかの葛藤が生じていたはずです…

 

情動を整える

成長の過程でふつふつと湧き上がる、感情の爆発。それは自分が生まれながらに持つ能力への疑問と、同世代の友人と異なる生まれであるという葛藤‥ これらが子どもの成長とともに嵐のように吹きつけてきます。この避けられない事態への親の対応が、子どもの「情動指数 (emotional quotient: EQ)」の発達の基礎となります。この時、親の価値観を子どもに強引に押し付けると、子どもの心の健やかな成長の妨げをもたらします。親の対応が、子どもたちが一生持つことになる考え方や、感情への対処法に影響を及ぼすのです。
このため親の情動を整えることこそ、子どもの無限の可能性を伸ばす基礎となるのだと考えました。そう思うと、いかにフォース・センシティブの家系であろうと、その才能を生かし切るには普段の家庭での教育・しつけが大切だということになります。カイロレンガジェダイの騎士になるためには、ハン・ソロとレイア王女の育児法が一番のキーポイントでした。

 

フォースの習得の前にラポールを築く

人の脳は、嫌いな人の話を聞こうとしない自己保存の反応を起こすと言われています。特に子どもはその現れ方が顕著です。カイロレンにとってハン・ソロ、レイア夫妻やジェダイマスターがその嫌いな人の対象となると致命的です。大人は子どもから嫌われないようにするためには、常に良質のコミュニケーションをとるよう心がけ、信頼関係(ラポール)を築くことが重要です。ラポールを築くためには、まず子どもをよく観察することから始まります。次に子ども自身のことを否定せずに(しかし、正しくないことは否定してもよい)、受け入れて上げるよう努めます。両親が、カイロレンが感じるままを同じように感じ、ラポールを築くように育てて行けば、彼はきっと立派なジェダイの騎士になれたでしょう。

 

以上鷹のぼせの独り言でした。