鷹のぼせの独り言

外科系医療者で3児の父親です。ご覧のとおりの“鷹のぼせ”です。医療、教育、書評、そしてホークスについて熱く語ります。

アラフィフが記憶力を保つための3つの方法 『40歳からの記憶術』

『40歳からの記憶術』を読みました。団塊の世代の方々はリタイアされることが多くなってきていますが、いわゆるバブル期に就職したバブル世代もアラフィフとなり、遠視をはじめとした肉体の衰えなど「これまでと何かが違う」と自覚してくる世代かと思います。「最近物覚えが悪くなった」と訴える方はまだそんなに多くないでしょうが、若いころと比べると記憶力は悪くなっていると感じる方は多いのではないでしょうか。今回はそんなアラフィフの記憶術に関する本の紹介です。団塊の世代が続々とリタイアしている現代の知識社会を次世代のリーダーとして生き抜いていくためには何が必要か。しかしこの本は単に認知症防止のための脳トレ紹介ではありません。

 

インプット少なめ、アウトプット多めを心がける

脳への入力・出力系は記銘→保持→想起と流れています。アラフィフの記憶術は最後の段階である想起力を高めることに焦点を絞って身につけていくのが合理的かつ理想的と言われています。単純暗記という意味では、アラフィフは若い時と比べると復習する機会が圧倒的に少なくなっています。また学生時代では記銘と保持による「知識の量」が重要でしたが、社会人では知識量よりもそこから引き出される内容、「アウトプット」が大切です。しかしどんなアウトプットが欲しいかによって、何をどのように記憶し想起していくか、スキルが異なってきます。社会では知識量ではなく、それを元にした価値創造が求められ、それは年齢を経るにしたがって要求のハードルが上がっていきます。情報へのアクセスが容易になった現代の情報社会では、脳内にインプットされた質の高い情報が多い人のほうが有利となりますが、そうなるためには情報を読み取るリテラシーとそのための基礎知識が重要となってきます。経験と基礎知識の蓄積が上手く比例するのであれば、アラフィフは良質な想起に基づいたアウトプットが可能な年代となります。より効率を高めるためには、入力する知識よりもアウトプットの割合を上げることが必要です。また今まで思ってきた、信じてきた概念とは「異なる知識」を積極的に入力することが大切です。

 

40歳からの記憶術 (ディスカヴァー携書)

40歳からの記憶術 (ディスカヴァー携書)

 

 

想起は人生経験がモノをいう

想起力を用いてアウトプットを生み出すポイントの一つは、新しい概念・知識や現象・法則に触れた時に、それまでの自分の経験を参照することです。これまでの経験を参照して付帯情報をつけてエピソード記憶として覚えることにより、過去の情報が上書きされ付帯情報が増えた分記憶に定着しやすくなるようです。新しく上書きされた情報を想起しアウトプットしていくことが、記憶力の低下を予防することにつながります。様々な経験を積んだアラフィフであれば、付帯できる情報もきっと多くなっているはずです。多くの経験が想起に役立つことと思います。頭の良い人とは、多様な可能性を想起できる人のことを指すそうです。アラフィフならではの知識と経験を活かしてアウトプットを行いましょう。

 

良質の想起を心がける

アラフィフは職場でのプレゼンなどを先頭に立って行う機会はもう少ないかもしれませんが、 講演や冠婚葬祭でのスピーチの機会は多いと思います。そのようなアウトプットの良い機会にリハーサルなしに臨むのは考えものです。せっかくの良い想起のチャンスを自ら台無しにしてしまっているからです。講演やスピーチの機会を得たら、出来る限りリハーサルを重ねましょう。練習・復習が記憶の定着の役立ちます。またキーワードをきっかけに次々と言葉が追って出てくるような経路をつくり上げることが必要です。熟練しているわけでもないのに、原稿すら用意していないのは問題です。原稿を見ながらスピーチをするのは格好悪いですが、まずはそこがスタートです。たまには部下に任せているプレゼン資料の作成を行うことも良いかもしれません。資料作りはたまにやるととても面倒臭いものです。しかしその面倒臭さに耐える力も必要です。それは前頭葉を鍛えることに繋がるからです。

前頭葉を鍛える - 鷹のぼせの独り言

その際には作成する資料の細部にまで注意を払いましょう。事務的なことですが、文字サイズやフォントの統一を徹底して行い、最終段階では中身を度外視して機械的に外観を整えるように見直すことも大切です。そう見た目も大事なのです。どれだけ集中力を高めて、クォリティの高いアウトプットを生み出そうと高い意識を有しているのか、上司も部下もあなたの行動を見つめていますよ。

 

以上記述したことは私自身も取り組もうと思っている課題です。いつまでも若々しい心(脳)と体でいたいですもの…