鷹のぼせの独り言

外科系医療者で3児の父親です。ご覧のとおりの“鷹のぼせ”です。医療、教育、書評、そしてホークスについて熱く語ります。

世界史の復習

私は小さい頃より日本史が好きだった。豊臣秀吉の伝記を読み戦国時代に興味を覚え、その後幕末ものに移って行った。NHK大河ドラマも必ず見ていた。「竜馬がゆく」「世に棲む日日」…司馬遼太郎吉川英治など読み漁る一般的なパターンだった。高校の国語教師に薦められて「坂の上の雲」も読んだ。

それに比較して世界史は好きになれなかった。何と言っても人名や王朝の名がカタカナで区別がつかない、覚えきれない、といったカタカナアレルギー体質である。勿論大学入試では日本史を選択したが、高校の授業では世界史も必修科目だった。だから普段は何も勉強せず、試験前日のみ勉強した。完全な一夜漬け。しかしそれでも知識はすんなり脳に刻まれ、テストの点数だけは良かった。まるでドラえもんの暗記パンを食べたかのように。ただ試験が終われば全ての知識は遥か彼方へ消え去ったけれど… 思うに授業に準備されたシラバスの質が良かったのだろう。世界史担当の先生は母校のOBであり、授業の端々で母校への愛情が伝わって来てた。だから先生の授業は好きで、集中して授業を受けていたのだと思う。しかし既にお亡くなりになったことを風の噂に聞いた。

社会に出ると、高校のときもっと勉強していれば良かった、と思うことがある。大学入試に関係のない教科には興味を示さないのは現代の高校生にも通じるのだろうか?仕事以外の一般教養をもっと身につけなければ、と今さらながら思う。特に現在の海外の情勢を理解するには、世界史の知識は必要だと感じていた。中東・アラブの問題など紀元前からの流れを把握しておかないと到底理解は出来ないだろうし、仮に知識があっても宗教間の対立などは到底日本人には理解出来ない問題なのかもしれない、と思うようになっていた。

佐藤優氏は一般教養を身につけるには高校の教科書が一番、と述べている。

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

 確かにこれには一理ある。教科書はかつて読んだことがある(あるいは少しでも眺めたことのある)テキストであり、ある程度の情報をコンパクトに網羅しているため入門書としては最適である。

よって山川の世界史教科書を電子ブックで購入し、時間を見つけては復習している。 

もういちど読む 山川世界史

もういちど読む 山川世界史

 

そのうち世界史についての書物は時々目につくようになってきた。 

日本人のための世界史入門 (新潮新書)

日本人のための世界史入門 (新潮新書)

 本書は「入門書」と名は付いているが、記載されている情報は多岐にわたっている。司馬遼太郎の著作のように、「ちなみに」という感じである意味「脱線」が多く、関連した情報を提供してくれるのが面白い。参考にした資料はきっと膨大なはずなのに、誇張せずにさらっと流している所が心憎い。

しまいに「あとがき」では一般読書人の「歴史の知識」は「だいたいでええんや」と言い放っている。これは若い世代の歴史離れを危惧した著者なりの憂慮の表現と思える。