鷹のぼせの独り言

外科系医療者で3児の父親です。ご覧のとおりの“鷹のぼせ”です。医療、教育、書評、そしてホークスについて熱く語ります。

2019年6月に読んだ本

坂の上の雲」は高校時代の国語教師が是非読め、と言っていた本で再読。昭和時代の陸海軍の戦略の無さを徹底的に批判している司馬遼太郎が最も書きたかった内容かもしれない。太平洋戦争では優れた戦略・戦術ともに無く、人命軽視の精神論に偏っていたがために300万人もの命が失われた。その点アメリカは戦闘機など兵器の設計からして、兵士を死なせないモノづくりを徹底していた。軍隊の熟練度や強さは日本が勝っていたかもしれないが、人を死なせる戦略・戦術は必ず破綻する、と感じた。

 

6月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:606
ナイス数:31

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)感想
再読。「春や昔」で始まる松山ののどかな情景がよい。とはいえ松山藩戊辰戦争では賊軍に属してしまい、政官の重要ポストに就くことは出来ない明治時代。元藩士の家系だが貧しかった秋山好古・真之兄弟は、紆余曲折を経て軍人を志していく。「自分は要領がいいので学者には向かん」という真之の自己分析も鋭いが、単に要領がいいだけの弟ではない、と見抜いていた兄の好古の眼差しも好き。この2人の兄弟がやがて日本の運命を決して行く。司馬史観については見直しも言われているが、やはり名作中の名作である。
読了日:06月27日 著者:司馬 遼太郎


戦略がすべて (新潮新書)戦略がすべて (新潮新書)感想
今まで生きてきた社会の常識はこれから通用しなくなる、と読んでて感じた。これからの時代を生き抜く若い世代には、読んでもらいたい本。机上の情報収集のみでなく、時にはゲームなどからも学ぶべきことがあるし、教養が構築されるスタイルは極めて多様性を有している。太平洋戦争時から、日本には戦略がない、と指摘され続けている。国家間の様々な競争を勝ち抜くためには、戦略的思考を身につける必要があり、そのためにはケーススタディを大量にこなす必要がある、と著者は主張する。
読了日:06月24日 著者:瀧本 哲史

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