鷹のぼせの独り言

外科系医療者で3児の父親です。ご覧のとおりの“鷹のぼせ”です。医療、教育、書評、そしてホークスについて熱く語ります。

2018年3月に読んだ本

2月は読みかけの本が多く、読了した本が少なかった。

胡蝶の夢』は長崎が舞台であり、興味深く読むことが出来た。鎖国体制の崩壊によって流入した西洋の市民思想が徳川体制の瓦解に繋がった。江戸時代は終わるべくして終わったのだ。

羽生永世7冠は先日NHK『プロフェッショナル』でも放送があったが、自身の将棋人生が引退した加藤一二三さんの半分にも及ばないことに触れ、継続こそ才能であると言っていた。年をとると記憶力・体力のみならず、未知の世界に挑戦する気力は当然落ちる。本当に好きなことしか挑戦・継続出来ないが、継続するための環境を整える努力も必要だ、と思った。

 

3月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:717
ナイス数:27

決断力 (角川oneテーマ21)決断力 (角川oneテーマ21)感想
羽生名人が将棋を通して人生を語る。一番響いたのはここ『王道、本筋を行くことが非常に大事なのだ。  楽観はしない。  ましてや悲観もしない。  ひたすら平常心で。』 追い詰められた時こそ、その人の本性が現れる。羽生さんは追い詰められたときこそ飛躍出来る、と考えられる人だった。だからこそ数々のタイトルを獲得し維持できているのだろう。しかし勝って驕ることなく、負けて卑屈になることもなく、ただひたすらに平常心を保つ… 一つの道を究める人はそんな境地に到達できるのだろう。


読了日:03月21日 著者:羽生 善治
胡蝶の夢 (第2巻) (新潮文庫)胡蝶の夢 (第2巻) (新潮文庫)感想
オランダ人軍医ポンペのもと、長崎にて医学校を開設し運営する良順。西洋医学発祥の地、長崎で躍動する良順の姿が描かれる。開国により西洋文明の流入を食い止められない江戸時代末期。なかでも貴賤・貧富の差もなく万民に医療を施す西洋医学の思想は、厳しい身分制度を敷く徳川幕藩体制を根幹から揺るがすものであった。幕末の動乱を思想的に先導したのは、市民・平等の考えを実践した西洋医学であった点が面白い。
読了日:03月17日 著者:司馬 遼太郎

読書メーター